リーサス(RESAS)にできること・使い方|実際に6つの分析をしてみた

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地域経済分析システムRESAS(リーサス)ってなに?

地域経済分析システム。何やら難しそうな印象を受けますね。しかし、これがなかなか面白いアプリなんですよ。特に旅行好きや「Googleマップを眺めているだけで旅した気分になれる」人には絶対ウケる。

そこで今回は「RESASって何?どんなことができるの?」というお話です。

目次

・リーサスって何?それは地方創生をビッグデータで実現する

・リーサスって何が出来るの?

・実際に僕もリーサスを使ってみました!

リーサスって何?それは地方創生をビッグデータで実現する

まずは「リーサスとは何なのか」について。正直この部分はつまらないので、飛ばしてしまってもOKです。

リーサスを提供しているのは経済産業省です。提供開始日は平成27年4月21日。だから、今まで「面白いアプリ」みたいな扱いをしてきましたが、実際はかなり大真面目なシステムなんです。以下、リーサスお披露目文章より引用。

内閣官房(まち・ひと・しごと創生本部事務局)及び経済産業省では、産業構造や人口動態、人の流れなどに関する“ビッグデータ”を集約し、可視化するシステムについて、検証を行ってきたところであり、このたび、地方版総合戦略における基本目標・KPIの設定、PDCAサイクルの確立等を支援する「地域経済分析システム(RESAS)」を地方公共団体に提供することといたしました。

よくわかりませんね。三行でまとめると、

  1. 地方を活性化するためには大量のデータを利用することが有効です!
  2. リーサスはそんなビッグデータをわかりやすく僕たちに見せてくれます!
  3. データをもとに納得の計画を立て、みんなで地方を活性化しましょう!

という感じです。

リーサスって何が出来るの?

「それで結局リーサスって何が出来るの?」と思いますよね。僕もそう思いました。官邸もRESAS(地域経済分析システム)とはという難解な文章を作成しているのですが、やっぱり難解なだけに読みづらいです。

リーサスは元々の目的が地方創生にあるだけに、使う人は地方で働く公務員や中小企業の方に制限されています。しかし、このツールは僕ら一般人でも一部機能が利用できるんです。できることを簡単に挙げてみると

  1. 観光客がどこの観光地に行っているのかが目で見てわかる
  2. 観光客がどの時期のどの時間帯によく訪れているのかが目で見てわかる
  3. 観光客がどこからその地へ向かったのかが目で見てわかる

なかなか面白そうじゃないですか?え?想像がつかない?それじゃあ実際に使ってみましょうよ!

実際に僕もリーサスを使ってみました!

ということでリーサスを実際に使ってみます。

1. 人口のマップを視覚的に見てみる

まずは論より証拠。実際の画像を見ていただきましょう。下の画像では、人口が大きいところ程、赤に近い色になります。関東の4県、愛知、大阪に多くの人が住んでいることがわかります。

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さらに、全国から市町村別のサイズまで寄ってみます。我が国の首都・東京にぐんぐんとよって見ると、大田区、世田谷区、八王子市の人口が多いみたいですね。

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一方で、リーサスには「自治体比較マップ」というものもあり、全国の企業数も見ることができます。ということで東京の企業数を見てみると、千代田区、港区、新宿区などが企業が多いことがわかります。つまり、千代田区などは働くところだけど、住んでいる人は少ないということですね(東京との中で相対的に見ると)。

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2. 消滅可能性都市のリアルを見ることができてしまう…

さらに、今後の人口の推移も見ることができます。さすがは千代田区、少子高齢化の日本においてもあまりその傾向は見られません。人口もあまり減っていないようです。減っていることは減っているけれど、少しずつですよね。

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一方で次の画像は北海道の夕張市。事実的な財政破綻を経験した町です。グラフを見るだけで、何も語らなくて良いですよね。何もしなければこの町は消えてしまうことがわかります。

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人口ピラミッドも見ることができます。スマホだと画像が小さく見えるかもしれませんが、夕張市は2040年にはほとんどが90歳以上の女性になることがわかります。なんで女性だけなんでしょう。追加で調べてみると面白いかもしれませんね…!

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3. 日本の人口が減っていくという図がとても残酷

次はちょっとビックリする画像です。人口の増減を表す画像であり、増加傾向にある県が明るい色で表示されます。。。はい。日本の人口はもう真っ青ですね。

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4. 観光客の流動の様子が丸見えになる

お次の分析対象は、僕の地元・埼玉県春日部です。クレヨンしんちゃんの町ですね。ちょっと見えにくいですが画像の中心に春日部市があります。色が赤に近い程、外から人が多く訪れているということを表している図です。これを見てみると、春日部市は結構外からの人が多く来ている町のようですね。

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また、所々にある黒丸は観光スポットを示しています。例えば右下の方に千葉県野田市があるのですが、こちらは醤油の町として全国的に有名であり、そこを中心に赤い「人が多く訪れるエリア」が出来上がっていることがわかります。

5. どこからその地へ向かったのか

そして僕が一番面白いと思ったのが、「どこから春日部へ訪れたのか」がわかる機能です。図のように日本中のどの地域から訪れているかが放射状に見えるようになっています。何だかカッコいいですね。

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こちらはグラフも見ることが出来ました。埼玉へ滞在される方は年間194,100人いるようです。ランキング形式でも見ることが出来るのですが、気になったのは島根県。なんと隣県の群馬や神奈川を差しおいて5位の滞在者数となっています。埼玉と島根の間に何があった…

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ちなみにお台場のある東京都港区の分布を見てみると、2,665,400人。桁が違いますね。

6. どこの人が高年収なのかもわかっちゃう

他にも色んなツールがあるのですが、今回はコレで終わりにします。最後は年収マップ。どこの人が儲かってるのかがわかっちゃうのです。まずは全国で見てみると、やっぱり東京の強さがわかります。平均年収は546万円だそうです。

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都道府県別の年収ランキング。東北地方や九州、四国が低年収の地域のようです。その分、支出も少ないということじゃないと生活は辛いでしょうね…

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沖縄県は出生率が日本一なのですが、年収はワースト一位。全国的に見ると企業数が少ないわけではないので、あまり儲からない産業が集まっているのかもしれません。そこら辺もリーサスを使いこなしていけば見えるようになりますね。

ビジネス活用事例で学ぶ データサイエンス入門

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リーサスは面白い上に使えるツールだった!

こんな感じでリーサスについて軽く紹介してきましたが、まだまだリーサスには使いこなせない程の機能が眠っているようです。こうして得られたデータを見れば、次にどんなアクションを起こせば良いかがわかりやすくなりますよね。

例えば春日部市で新しい観光施設を作りたいのなら、近隣で滞在者数が多い場所を探し、ウマく誘導するためのパンフレットなどを作れないか、とか。色んなことが出来ると思います。また、単に眺めているだけでも楽しいですよね!Googleマップと似たような発見する喜びがあると思います!

ぜひ皆さんも一度使ってみてください!

RESAS -地域経済分析システム-