折りたたみ自転車を買いました。自転車と一緒に電車に乗り、駅で組み立てて走り始める。そうした「知らない町を地元のように巡る旅」に憧れていたのです。
初の旅先に選んだのは古都・京都。元々この町にある鴨川を、すっと真っすぐに伸びるこの鴨川沿いの道を、自転車で走ってみたいと思ったのがキッカケだったのです。
駅についてからはカバーを外し、まだ慣れぬ手つきで自転車を組み立てます。念入りにストッパーをチェックしたら、さあ旅の始まりです。
紅葉時期の京都
京都はちょうど良く紅葉の時季でした。事前に調べていた無料で巡れる京都の美しい紅葉スポットを目的地にしながら、気の向くままに車輪を転がします。
走りやすい平坦な道を「サーッ…」と進む。自分で選んだ道を、自分が見える早さで進んでいく。そうすると、見たことのない路地や、通ったことがあるはずなのに見過ごしていた魅力的なカフェなどを見つけるのです。
毎週訪れていたはずの京都。それなのに、今日はこんなにも発見がある。バスや電車は楽だけど、それでは見えない景色がある。目的地という結果だけではなく、そこに至る過程にこそ旅の楽しみがあるんじゃないかと思えた瞬間でした。
乗物でスマホの画面を見るのではなく、旅の日くらいは自分の足で町を見たい。そう思った一日でした。