東北旅行3日目の後半。
山形のおばあちゃん家で農作業をしたあと、僕たちは有名な温泉街へと向かったのです…!
僕は「銀山温泉」へのハードルを上げ過ぎていた
山形に行ったら絶対に行きたいと思っていた場所。
銀山温泉です。台湾と日本のそこら中にある、「千と千尋の神隠し」の舞台の一つ。ジブリの舞台ってなんであんなに多いのか…
個人的に、銀山温泉にはスゴい期待していたんです。ずっと前から行ってみたいと思っていました。
ただ、ちょっとハードルを上げすぎていたようです。
目の前に現れたその温泉街は、正直に言って「寂しげな場所」でした。
哀愁ノスタルジーというよりも、寂しげな場所。
確かに、僕が見たのはガス灯がともるような時間でも、雪に覆われる時期でもありませんでした。
それはわかっている。だけど、銀山温泉は、あまりにも寂しげな場所でした。
人が少なく、いくつもの温泉宿が潰れたままに佇んでいる。僕は、銀山温泉の魅力には気づけぬままに、その場所を去ることになってしまいました。
一応、温泉(足湯)には入りました。多分、僕みたいなオレンジのやつがいるから景観が崩れるんだと思う。
日本で最もラーメンを食う県の実力はいかに
銀山温泉をあとにしてからは、1時間半ほどかけて山形市内に戻りました。
今日の夕飯は、ラーメンです。
実は山形は、日本一ラーメンを食べる県民なのです!これは期待できる…
特に外食に使用する金額が最も高く、山形県内にはいたるところにラーメンの名店があるようでした。
そんな数多くのラーメン屋の中から、きょーちか夫婦が選んだのは「虎真らーめん」さん。
山形市内のラーメンランキングの常連というのを奥さんが見つけてくれました。
ちなみに、多くのラーメン屋は8時には閉まってしまうようです。虎真は遅くまでやっててくれたのも選択のポイント。
今回いただいたのは「特性しょうゆラーメン」と、
「辛味噌ラーメン」の二つ。
特製しょうゆラーメンはスッキリとした味なんだけど、決して「物足りない」とは思わせないしっかりとした味がある。手打ちのちぢれ麺が、旨いスープを連れて口に入ってきてくれる。
辛味噌ラーメンは山形のご当地ラーメンの一つ。ニンニクが練り込まれた辛味噌を、好みの味になるまでガンガンと溶かして食べる「ガツン」とした味を楽しめる。
どちらのラーメンも最高でした。山形ラーメン、期待を裏切らない味だった…
山形でラーメンツアーをやりたいな。
初めての「ゲストハウス」で過ごす不思議な一時
ラーメンを食べてからは、スーパーに寄って宿に向かいました。
今夜の宿は、3000円で泊まれるというお安い場所。
しかし、ナビに従って辿り着いたその場所は、ごく普通の「民家」でした。
「これなのか?」
ピンポーン。とチャイムを鳴らすと、若い青年が出て来ます。
外観だけでなく、中もごく普通の民家です。
一つ「普通」と違っていたのは、その民家の中でホームパーティが行われていることでした。
「どうぞ、良かったら一緒に食べて行きませんか?おいしい芋煮もありますよ」
ニコニコとした男性の方が、10人程の円卓の中に、僕たちの席を作ってくれます。
聞けばそのメンバーはほとんどが初対面。
全国をマラソンで回るウクレレシンガー。またもや日本一周中のサイクリスト。青春18きっぷで東北中の酒を飲み回っている大学生。またもやリヤカーを引いて日本を回るノリノリのオヤジ。
変な奴らが多いかと思えば、サラリーマンもいるし、僕らみたいな夫婦もいる。
そこには、僕たちが普段会わないような刺激的な生活を求める人たちと、僕たちのような日々を淡々とした幸せを求める人たちもいました。しかし、不思議な調和を保てていて、ゆるく、お互いのことを話しながら(主に奥さんが僕の分も話してくれて)、話がやむことはありませんでした。
不思議な場所でした。昔に僕が憧れていた、「日本全国をゆっくりと、自由気ままに巡って行く」ということを実践している人たちと、一緒にご飯を食べることになるなんて。普通の宿だと思っていたけど、そこはちょっと普通ではないようでした。
僕の心境は少しずつ変化していて、昔よりは「日本全国をゆるく巡りたい」という気持ちはなくなっています。年を取って来たからかもしれません。(ちなみに一緒に飯を食っていた、全国一周中の人たちは2個上くらいだったけど)。
でも、きっといつかまた「全国を回る貧乏な旅がしてーなー」と思うのでしょう。だって、僕はまだそういったことをやったことがないのだから。
旅人は言いました。「同じ後悔なら、やらぬ後悔より、やる後悔を選んだんだ」と。
良く聞く言葉だけど、実際にやっている人から聞くとちょっと違う。
でも僕は、後悔したいわけじゃないんですよね。
何にしても、色んな人に会えて面白かった。
やっぱり今回の旅は、「人と出会う旅」のようです。