旅に出たくなる旅行記マンガライトノベル
旅の情報を発信し続けているこのブログ(僕の書いた旅行記一覧はこちら)
僕は旅行自体だけでなく、旅行記を読むことも大好きです。行ったことがない土地であれば、未体験のワクワクやドキドキを感じる。知ってる土地だとしても、別の人はまったく異なる体験をしているという発見が何とも楽しいのです。
今回は僕のお勧めする旅行記を紹介します。
国内の旅行記
まずは国内の旅行記を紹介していきます。国内旅行は海外に比べると気軽に行けるため、旅行記を物語として楽しむだけでなく、「次回の旅行の参考」にも使えるところが好きです。
ここでは初めに「今特におすすめしている3冊の本」について感想をまとめたあと、漫画などのカテゴリに分けて紹介していきます。
Pick up!! 特にオススメの3冊
新久千映の まんぷく広島
ワカコ酒で有名なチエゾウさんの広島グルメ本。この漫画で描かれる料理の絵は、本物以上においしそうなんですね(本物見たことないけど)。
お好み焼きはもちろん、ホルモンやイタ飯など、広島で食べれるおいしいものをチエゾウさんと愉快な仲間たちが巡ります。広島グルメの豆知識あり、クスッてしまう笑いありの面白い漫画です。
絵だからこその強調された色味やてかり。味の感想はほとんど言わないのに、「あぁ、絶対うまいわこれ…」と思ってしまいます。
東京のディープなアジア人街
この本は、海外旅行が好きで、特にアジアが大好きな方におすすめです。
「海外旅行に行きたいなぁ…」と思っても、お金的にも、休み的にも、そう簡単には海外へ飛び立つことはできません。
もし東京の中に異国を感じられるアジア人街があるとしたら…
この本ではそんな東京にあるディープなアジア人街を探検していきます。
リトルバンコクであるタイや、リトルデリーである西葛西を巡っていく様子を見ていると、旅って、外国の香りって、こんなにも身近に感じられるのだなーと思います。
だって地下鉄に乗ればそこにはアジア人が何千人と暮らす小さなアジア人街があるのですから。
海外に行きたくなったとき、この本を読んでテンションを上げて、身近な東京にある外国に行ってみたくなる、そんな本です。
読了日:2017年2月26日
駅長さん!これ以上先には行けないんすか(旅行記)
線路は続かないよ、どこまでも。
時刻表をつぶさに見れば、終着駅がどこともつながらない鉄道があちこちに発見できるはずだ。
諸般の事情でそれ以上先へ伸びることを許されず、レール止めによって行く手を阻まれた鉄道路線。錆の浮いた鉄の断面を悔しげに見せながら、オノレの置かれた立場や状況を悲しみとともに受け入れ、延々とつながってきたレールの最終地点を受け持つ最後の一本の姿をしっかりと見届ける。見届けずに置くものか。その精神で、どんどん鉄道旅をしたいのである。
線路の最後にはドラマがある。独特の語り口調で始まるこの本は、鉄道路線の最終地点を巡る旅をつづっています。
最後の駅は、なぜ最後になったのか。計画通りなのか、いつかつながる予定だったのか、廃線して使用されなくなったのか。終着地点の様々な物語をその目で見て行くストーリーなのです。
最終地点は何もないようで、何かがあるからこそ終わっているのです。悲しいこともあれば、面白いものが待っていることもありました。普通の観光ではない、珍しいテーマを扱ったものだからこそ、作者が出会う経験もひたすら珍しいものばかり。
また、この旅行記の特徴は宮坂くんという相棒がいることです。多くの旅行記はひとり旅ものが多い中、この作品ではおっさんの作者と若者の宮坂くんが常に漫才をしているようなノリで、読んでて非常に愉快でした。不思議な旅を感じ、面白いキャラと出会いたい方にオススメです。
旅行記全般
日本全国もっと津々うりゃうりゃ(旅行記)
ユーモラスな旅行記を書くエッセイスト・宮田珠己さんが、日本全国を巡った本。この人の作品は、かなり笑えます。
宮田さんの本は大体にして適当であり、そのノリで書いてる感じが何とも面白いのですが、この「津々うりゃうりゃ」ではその適当加減がいかんなく発揮されていました。
長崎の軍艦島に行った際は、あまりにも揺れる船に対して「島が近づいてくれればいいのに。島が回転すればいいのに」と思ったり、自分だったら絶対に思わんであろう小ネタを頻繁に挟んでいってくれるので読んでいて飽きません。
歴史は程々でいいから、とにかく面白い旅行記が読みたいって人には、確実にオススメできる本です。
基本情報
訪れている場所:
- 長崎(出島、ランタンフェスティバル、軍艦島)
- 奈良(飛鳥、天理おやさとやかた)
- 福井(永平寺)
- 石川(加賀温泉)
- 北海道(道南)
- 奄美大島
- 山形(羽黒山、加茂水族館)
- 横浜
- 滋賀(竹生島、余呉湖、近江八幡、安土城)
- 山口
読了日:2017年3月5日
村上春樹 辺境・近境(旅行記)
ご存じ日本を代表する作家・村上春樹さんの旅行記。個人的に村上作品はアクが強過ぎて苦手だったのですが、この旅行記はマイルドになっており読みやすさ満点です。
ただ、アクは弱くなっても観点はやっぱり村上さん。行く場所だって「名もない無人島」とかだし、やたら鳥が喋りまくるし、普通の旅行記とはちょっと違う。あれ、やっぱりアクが強いのか…
こちらもおすすめ
森見登美彦の京都ぐるぐる案内(紹介)
京都で暮らし、京都の作品を書き続けてきた森見さんだからこそ見える京都の一風変わったスポット紹介です。旅行雑誌には載らないような場所がいくつも紹介され、2度目、3度目の京都旅行にぜひ持っていきたい一冊。
スポットとあわせて森見作品の文章も添えられており、小説の情景をリアルに感じられるのもおすすめポイントです。
ちょっとそこまで ひとり旅 だれかと旅(旅行記)
「楽しい旅だったねぇ、しかも安あがりだったし」
母とふたり、帰りの列車の中で笑い合う。
母は近所の人に配るお土産をたっぷり買い込んで、満足そうだった。なのに、ふいに真面目な顔で、
「もう、金沢に来ることもないかもしれんなぁ」
ポツリと言うものだから、思わず泣きそうになってしまう。
母も今年で68歳である。そういうセリフを口にするようになってきた。そんなとき、わたしは自分が、まだまだほんの小さな子供のように思えてしまう。いつか、母と別れる日がくることが信じられないのだ。
「金沢は大阪から近いし、またいつでも来られるで」
わたしが言うと、「そやなぁ」と母は笑った。
淡々としているようで、どこかに優しさを感じる文章。こちらの本は、母や、彼氏や、ひとりで。色んな人と日本の各地を巡る旅行記です。それぞれの人と、それぞれの場所で過ごすストーリーが面白くて、パートナーが変わっていくというのが特徴の一つ。
この人と過ごす旅だからこそ、生まれる感情。それが楽しいものであるときもあれば、寂しいときもある。それら全てを含めて、旅にまつわる多くの感情に触れられる作品です。
週末沖縄でちょっとゆるり(旅行記)
旅行作家として有名な下川のおじさん。ダルそうにダラダラと町を巡り、観光客が素通りするような店でそばをすすって感動する。僕はこういう旅スタイルが大好きです。
国内編の沖縄では、昔に食べたなつかしの沖縄そばを求めて島中を巡ります。きっと普通のそばなはずなのに、なぜだかうまそうなんだよなぁ…
こちらもおすすめ
鉄道・バス…乗り物メインの旅行記
週末鉄道旅行(ノウハウ)
本書は、週末ーー最長で金曜日夜から月曜日朝までーーを使って、いかに鉄道を楽しむかについて書かれた本である。
そのため、ここで紹介する週末鉄道旅行のプランは、長ければ1日22時間、短くても7時間以上は列車に乗っている。
金土日と連続して寝台特急に乗るという旅から始まる本書。金曜の夜に出発して、月曜の朝には帰ってこれるため有休は不要です。それにもかかわらず、東京から四国、四国から北海道、北海道から東京という移動をたった2.5日で行ってしまうという超強行プランなのです。
寝台特急には「急ぐ・疲れる」というイメージはなく、優雅といった方が正しい。豪華な個室で、文字通り旅をしながら眠るのです。列車好きでなくとも、心が震える人は多くいたと思います。
寝ながら本州・四国・北海道を制覇する!!
「あまちゃん」の舞台・三陸鉄道北リアス線の旅
信州の名物駅弁を巡る
ローカル線の真髄!!いさぶろう・しんぺいとくま川鉄道
トクトク切符を使って乗り尽くす
地方鉄道でのんびり旅行
青春18きっぷで週末最長ルートを行く
鉄道をテーマにした、あらゆる旅情を感じられる。もちろんノウハウも学びきれないほど多く散りばめられていましたが、それ以上に「楽しそう」と思えるストーリーばかりでした。
バスに乗ってどこまでも 安くても楽しい旅のすすめ(旅行記)
なので、高速バスの格安っぷりや、気軽な旅をアピールするためにも、予算は1万円。1万円ぽっきりで、往復の高速バス代、現地での観光、食事、交通費、ぜーんぶまかなう、当時は、「安いお金でも、意外と楽しく旅行ができちゃいますよ〜」とおすすめする、ガイド風の旅行記でした。
タイトルから高速バスの旅なのだろうと想像し、「はじめに」を読んでやはり高速バスの旅なのかなと思っていました。
高速バスを使って1万円で旅をする。激安にするための色んな知恵が詰まっているのかもしれない!そう思って本を読み進めたのです。しかし…
野宿をするときは、なるべくなら暗くなる前に寝る場所の目星をつけておきたいのです。有力なのは水場やトイレのある公園、河原など。雨の日は、東屋や橋の下、無人駅など、庇(ひさし)のある場所を探さなければなりません。
と、宿泊費は野宿で0円に抑えるという根性を発揮する。常人には簡単には真似のできないテクニシャンでした。最初、本書で普通に使わている東屋という言葉を知らなかったのですが、どうやら公園にある屋根付きの休憩所のことをいうようです。
野宿に関しての雑誌も監修している筆者。タイトルの「バス」の旅情がほとんど表に出てこないほどに、その印象は野宿に持っていかれました。タイトルの予想とは反してしまうけど、ある意味でとても珍しい旅行記です。多分こんな格安の資金で野宿ばっかりしている旅行記、今後も出てこないと思います。
漫画
まんぷく名古屋
この本は「旅といえば、おいしいものでしょう」と言えるような、グルメ旅好きの方におすすめです。
まんぷく名古屋は文字通り名古屋のグルメスポットをひたすら回って、おいしいものを食べ尽くしていきます。
私がこの本を気に入った理由が、
- 漫画であるので読みやすいこと
- 名古屋グルメが網羅的に紹介されていること
- 美味しいスポットだけでなく、ご当地グルメの成り立ちまで教えてもらえること
この3つが気に入りました。
特に3つ目の「グルメの成り立ち」は本当に面白く、ただ「おいしー」ではなく、「なぜ、どて串揚げは生まれたのか?」なんて小ネタがたくさん入っています。
マラソン1年生(漫画)
もう何回読んだかわからない。旅の本なのにマラソンなの?と思われるかもしれませんが、この本の半分くらいは飲んで食べて旅行する、れっきとした旅行漫画です!
30分間歩くことさえできなかった筆者が、なんと1年でホノルルマラソンに出場してしまう!もちろん42.195km。しかし辛さといったものが感じられず、楽しそうに、ノホホンと走っていました。パートナーとして走るいつもの3人がとっても和やかで、読んでいると自然と走ってみたくなる…不思議ですね、僕は走るの大嫌いなんですけど。
マラソン1年生、2年生では、各地域の大会に出場してはその地のグルメを堪能しつつ、宿に泊まってまたビール。本当、マラソンをタイトルにしているのに走る描写の少ないこと…でも時折プロランナーもキャラクターとして登場し、アドバイスをしながら走ってくれるので為にもなるんですよね。
こちらの本では国内外の珍しいマラソンに参加するお話です。正直、マラソン大会なんて「ドMの集まり」だと思っていたのですが、給水所で名産が出たり、夜の田舎道をライトを照らしながら走ったり、カレーの材料を走って調達してから作ったりと、本当に色んな、面白い大会があるんだなということを知りました。
この本を読んでからは僕の運動熱が高まっています。走ってはいないけど!
ひとりたび1年生(漫画)
小説
森見登美彦 夜は短し歩けよ乙女(小説)
旅行記ではありませんが、この本を読むと京都に行きたくなります。魅惑的な乙女を追い求め、男子大学生が京都の町を走る・走る・走る。鴨川、先斗町、デルタなどあらゆる京都スポットを駆け抜けます。
森見作品の多くは京都が舞台となっており、他の本でも京都の魅力満載です。
こちらもおすすめ
鹿男あをによし小説(小説)
万城目さんも森見さんと同じ京大出身であり、関西を舞台にした作品を多く描いています。こちらの鹿男あをによしでは奈良が舞台。「奈良の人は鹿をバイクに使う」「奈良の鹿はエサを貰うためにお辞儀をするようにと別の鹿が教えている」など面白い話が満載。
実際にこの本を読んだ翌週に奈良に行きました。確かに鹿はお辞儀をしてくるのですが、「ほらほら、お辞儀してるんやしエサよこせや」と言われてる気がしてあげるのをやめました。
こちらもおすすめ
海外の旅行記
ここからは海外の旅行記の紹介です。海外旅行は国内に比べると未知のモノ・想像もつかない出来事・ドキドキする出会いが多く、物語としての楽しみが強いですね。
ここでは初めに「今特におすすめしている3冊の本」について感想をまとめたあと、漫画などのカテゴリに分けて紹介していきます。
Pick up!! 特にオススメの3冊
深夜特急シリーズ6巻完結(旅行記)
インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合いバスで行く―。ある日そう思い立った26歳の〈私〉は、仕事をすべて投げ出して旅に出た。途中立ち寄った香港では、街の熱気に酔い痴れて、思わぬ長居をしてしまう。マカオでは、「大小」というサイコロ博奕に魅せられ、あわや…。1年以上にわたるユーラシア放浪が、今始まった。いざ、遠路2万キロ彼方のロンドンへ。
旅行記として不動の人気を誇る沢木さんの作品です。1986年という僕が産まれる前の本なのにも関わらず、まったく色褪せず、そして刺激的なストーリー。数々のバックパッカーを生み出すという大罪(?)を犯し続けている本でもあります。
全6巻と長編ですが中だるみはせず、あらゆる人に出会って、様々な体験をします。初巻のマカオ編では大小というギャンブルにハマるのですが、まったくギャンブルをしない僕でもその魅力に取り憑かれてしまいそうなくらいでした。魅力と夢が詰まった、旅行記。
こちらもおすすめ
一号線を北上せよ<ヴェトナム街道編> (講談社文庫)<ヴェトナム街道編> (講談社文庫)
世界をひとりで歩いてみた――女30にして旅に目覚める(旅行記)
女優・眞鍋かをりさんの作品。「ブログの女王」としてテレビで引っぱりだこだった眞鍋さん、最近何してるのかな?と思って読み始めた本書。少しの休職期間を利用して始めた海外旅行にハマり、どんどんとその魅力に取り憑かれていく様が描かれいます。
さすがはブログ女王といった感じで、現地の魅力・眞鍋さんだからこそ感じられたオリジナルの体験を最後までわかりやすい文章で伝えてくれます。これを読んだのは発売直後の冬でしたが、「もう今すぐにでも旅に出たい!凄い作品だ!」とFacebookに叫んだのを今でも思い出します。
世界よ踊れ―歌って蹴って!28ヶ国珍遊日記(旅行記)
750ルピー(約2200円)。
おかしいだろう!?インド人の入場料20ルピー、外国人は750ルピーって!?俺1人の料金で、インド人37人も入れるやん!!くそー、観光地ならではやな。まあ、でも入らないと、なんのためにアグラに来たか分からん。仕方がないので、しぶしぶ払うことにしよう。
タージマハル。
ムガール帝国3代目皇帝、シャー・ジャハーンが、自分の妃ムムタージのために巨大なお墓を建てた。それが、タージマハル。
恥ずかしながらインドに来るまで、世界遺産であるこのタージマハルの存在を知らなかった。
破天荒。まるで対話をしているような文章で自然とスイスイと読み進められちゃう本書は、歌手ナオト・インティライミさんがまだ20代前半だった頃の世界28ヶ国の旅行記。一度は音楽の道に挫折して引きこもり、その後、バックパッカーとして世界の人・音楽に触れていくお話。
ガイドブックも持たず、宿・食事・行き先・過ごし方をその場で決めてしまう。手がかりは現地の人とその場で出会ったバックパッカーだけ。その姿はまさに破天荒そのものでした。世界一周をテーマにしたものの多くはトラブルに見舞われるものが多いけど、ナオトさんの旅はちょっと違う。トラブルを未然に察知できるし、トラブルを最大限楽しんでしまう。その姿はまさに爽快でした。
読みやすい文章で書かれている中にも、歌手らしくきれいな言葉がちりばめられているのもとても良かった。ナオトさんの歌は一曲も聞いたことがなかったのですが、旅行記を通してナオトさんが好きになり、聴き始めるようになりました。
旅行記全般
行かずに死ねるか!―世界9万5000km自転車ひとり旅(旅行記)
数多くの世界一周本はあれど、自転車という自分の足で走り抜けた人はそんなにいないはずです。この本では何年にも及ぶ有休をもらうというクレイジーな展開から始まり、自転車で世界各国を巡っていくのです。
やっぱり自分の足で回る旅は普通のそれとは異なります。乗物の速度では気づかなかったモノだとしても、自転車のスピードなら気づくことができる。同じ世界一周でも見つかるモノはまったく違ったようでした。
弱いつながり 検索ワードを探す旅(自己啓発?)
「かけがえのない個人」など存在しない。私たちは考え方も欲望も今いる環境に規定され、
ネットの検索ワードさえもグーグルに予測されている。
それでも、たった一度の人生をかけがえないものにしたいならば、環境を意図的に変え、
グーグルに与えられた検索ワードを裏切っていくしかない。
それを可能にするのが身体の移動であり、旅であり、弱いつながりなのだ――。
人生に自由と強度を与える「偶然性」と「ノイズ」へ向かう道筋を示す。
旅に出よ。自分ではなく新たな検索ワードを探すために、という本。普段何気なく検索している言葉も、当たり前のことですが自分が知っている言葉しか検索ボックスに入れることはできません。そうした頭の中の派生でしかない情報から一歩踏み出すために、旅で新たな環境に身を置くことを推奨してくれます 。
世の中にはどんな情報でも存在する。だけど、それを「検索できるかどうか」は別問題です。新しいワードを探すために旅に出る、という新たな観点を僕にくれました。
僕らの人生を変えた世界一周(旅行記・短編集)
こちらは世界一周の短編集です。世界一周関連の本は山ほどあるのですが、これ一冊で色んな人の体験を読めることがおすすめポイント。 色んな境遇・環境の人がいるため、興味のある人や似た人を中心に読んでいくというのもありだと思います。
よしもとばなな ゆめみるハワイ(旅行記)
最後の日、やっぱり意地悪に放り投げられたたった一枚のタオルを椅子にしいて、次回は自分のタオルを持ってこよう、と思いながらプールを泳いでいた。
すると、目の前にすごい遊びかたをしている日本人家族がいた。
男ばっかり5人で、子どもがふたり、ちょっと大きな青年がふたり、お父さん年齢のおじさんがひとり、肩車したり、ふたりで足場を作ったりしながら、まわりに迷惑がかからないようにちゃんと気をつけつつ、水の中にお互いを放り込みあっていた。落としては笑い転げ、落としかたを工夫し、安全に、でもスリリングに。お父さんも子どもみたいに夢中になってるし、子どもは本気できらきらしていて、笑いがとまらない感じだった。何回も落ちて、大笑いし合って、また浮かんできて、交代で沈んで、もう楽しくてしかたない!という感じだった。プールにいた全員が、にこにこ笑って彼らを見ていたし、他の子どもたちもうらやましそうにしていた。
意地悪タオル貸しにいじめられても、彼らのハワイは最高の仲良しハワイなんだ、そう思ったら、こういうことがいちばん幸せなんだなと思えてきて、負けずに楽しむぞ!とハッピーな力がわいてきた。
小説家・吉本ばなな(15年に改名)のハワイを舞台にした作品。同じ景色を見たとしても僕にはこんな綺麗な言葉で残すことはできません。ばななさんの作品を読んでいると、たとえ僕が見たことのない景色だとしても、目を閉じれば、ふっと目の前にその場面が現れてくるんです。
ハワイを舞台にしているものの、クローズアップされるのは人のほうが多かった。短編集で色々な人物が登場し、彼らを中心とした物語が3, 4ページで描かれる。
特に僕は上でも紹介した「いじわるタオル」が大好きでした。海外旅行に行った際、時折思い切り楽しめていない自分に気づくんです。店員が素っ気ないとか、せっかくのビーチが高波の季節だったとか、遊びすぎて体調を崩してしまうとか。ただ、そういった時をどう感じて、良い思い出にできるかは自分たち次第なんです。
本書はこの「いじわるタオル」以外にも約20のストーリーがあり、それぞれのハワイを舞台にした人間ドラマが静かに起こります。さらっと読んで、気になるところをじっくり読むのにピッタリでした。
サンデートラベラー! 週末でも気軽に行ける海外旅行(旅行記&ノウハウ)
サンデートラベラー! 週末でも気軽に行ける海外旅行 (角川文庫)
「では、今日はこれで失礼します」
上司あ電話の受話器を置いた瞬間を見計らい、おもむろに席を立ち上がって声をかける。
「ああ、半休だったっけ。おつかれさま」
「おつかれさまでした」
ペコリと軽く頭を下げ、その場を退出。同僚たちはみんな出払っていて、オフィスはがらがらだった。なるべく目立たないように忍び足気味にツツツと足早にエレベーターに乗り込み、「1階」のボタンを押した。
(中略)
ーー金曜日の午後2時。僕はこれから海外旅行に出かける。
数々の旅行本を手がける吉田さんの週末海外旅行本。普通のサラリーマンでも、土日を利用して、有休を1日追加して、あらゆる世界へ飛び立てるんだということを身を持って証明されています。
実は現地滞在時間を最大化するという週末海外の定石にのっとると、日本から近い東アジアよりも、距離的には遠い東南アジアへ行くほうが滞在時間が長くなる。
週末海外というテーマに則って、世界一周経験もある吉田さんのならではのノウハウも手に入れることができます。こうして読んでいると、なんだか今まで遠かった海外の各地がグッと近づいて感じられるようになるから不思議ですよね。
海外で食べる、ちょっと珍しいローカルフード。暗めの灯りがともった店の外で、プラスチックの椅子に座って食べる。周りには自分の知らない言語が行き交い、その中で慣れぬ味のビールを一杯。
海外旅行って、こんなに近い存在だったんだと思わせてくれる、旅に出たい一冊です。
世界しあわせ紀行
ところが大学を卒業すると、その虫が急に動き出した。世界中を旅して回りたいという思いが募り、いてもたってもいられなくなってしまったのだ。しかも、できれば他人のお金で旅に出たい。でもどうしたらそれが実現するのか。私には自分を売り込む能力は皆無に近かった。持ち合わせていたのは、中途半端な道徳観と根暗な性格だけだ。そこで私はジャーナリストになろうと決心した。
外国人作家独特のブラックな口調で始まる本書は、ちょっと珍しいものをテーマにした旅です。そのテーマは幸せ。先進国・発展途上国の10ヶ国を周り、世界で最も幸せな国を探していくストーリー。
幸せを決めるものは何か。お金か、娯楽か、精神的満足感か、家族か、あるいは大麻樹脂か…あらゆる幸せを決める要素を数字で見ていく本書は、名前の知った国の、全く知らないディープな部分に触れることができる本でした。
学問・哲学・宗教的で難しい点もあったけれど、ジャーナリストの筆者によるユーモラスな文章が読みやすくさせてくれます。日本と比較しながら読んでみると、より楽しいかもしれませんね。
僕らはまだ、世界を1ミリも知らない(自己啓発)
旅行記に見えますがこちらの本はどちらかといえばビジネス書かも。普通旅行記では「自分探し」という感じで最終的な目的もなく旅に出ます。一方でこの本では「スーツとビジネスバッグを持って、海外で仕事をするため」にそこら中の国を飛び回るのです。
逃避行的な世界一周ではない。グローバルエリートになりたいような人にはかなりおすすめです。
インド旅行記〈1〉北インド編(旅行記)
ディープな海外旅行と言えばやっぱりインド。こちらの本では女優・中谷美紀さんが女一人でインドへ向かい、インドならではの数々の洗礼にもがき・苦しみ・そして楽しむ姿が描かれています。
僕もインドは行ったことがあるのですが、もの凄いクセが強い国です。だけど、なんででしょうかね。しばらく過ごしてみると、そのクセがないと何だか物足りなく感じてきてしまうのです。本書でもそんな思いがところどころに見られます。
恋する世界一周(旅行記)
世界イケメンハンターというふざけた肩書きを持つ著者は、23才で仕事を辞めて世界へ飛び立ちました。それ働いてないやろと突っ込みたくなりますが、本当に自分のやりたいように生きている姿は見ていて爽快です。
世界一周ブログランキングで1位を取っていたものが書籍化したと言うこともあり、内容の面白さには太鼓判が押せます。
漫画
トルコで私も考えた―トルコ入門編(漫画)
トルコ旅行から帰って来た際、現地で友達になった日本人からお勧めしていただいた本。マンガなので読みやすく、旅行編から住んでみた編まであるためトルコに対してライト・ディープなどちらの人にも対応しています。
トルコは自然遺産と文化遺産の双方が数多く残るかなりおすすめの国です。海外旅行好きな友達に聞いても、大体の人が「やっぱりトルコは一番いいよね〜」という話になります。
絶景・珍景の写真集
世界の変なトイレ(写真集)
旅行記じゃないのは重々承知なのですが、紹介させてください。この本は世界中のおかしなトイレをかき集めてきた写真集です。僕は自宅の本棚の一番目立つ場所においてあるのですが、友達が来ては毎回その本を読んでニヤニヤしています。
特に僕は58ページの「ダイバーは知らぬが仏」という回が大好きです。気になる方はぜひご一読あれ。
大好きに会いに行こう!世界のお祭り(フェス)&イベントガイド(写真集)
大好きに会いに行こう! 世界のお祭り(フェス)&イベントガイド
こちらの本はとにかく写真がキレイ。そして珍しいお祭りが満載。お祭りって日本でも地域ごとに色々あると思いますが、やっぱり世界まで広げるととんでもなくワクワクするようなモノがたくさんあるんですよね。
お祭りの時期に合わせて行けば、きっと他の人ができなかった体験をできるはず。そんな妄想をしながら読むと楽しくてしょうがないです。
5日間の休みで行けちゃう!絶景・秘境への旅(写真集)
海外旅行と言えばA-Worksというほど有名な企業。この「5日間の休みで行けちゃう!」シリーズは書店でも平積みされていたため知っているも多いはずです。 5日間の休みならとれるかもしれない。そして5日間もあれば世界は見れる!ということを証明してくれました。
行き方や予算なども書かれておりとても便利な一冊です。写真がキレイで写真集として本棚に入れてます。
こちらもおすすめ
家で旅路で旅先で読みたい旅行記を
旅行記の本というのは本当に良い物です。旅に出たいというエネルギーを私達に与えてくれます。ぜひ気になった本を、一冊でも良いので手に取ってみてくださいね。
紹介していない本でおすすめがあれば、ぜひとも教えてくださいね!旅行はいい!