普段はまったく美術に興味がないけれど、一年に一回くらい、無性に美術館に行きたくなるときがある。
飲み会で友達に「明日、美術館いくんだ」ってドヤ顔したら、「意識高いふりすんな」って言われた。うん、ごめん。星野源が、本の中でウンチのことばっか書いてるんだ、って話の続きをしようね。
東京出張中のこと。電車で車内広告を見ていたら、ちょうど今「草間彌生の特別展」が始まったばかりだということを知った。
もともとは錦糸町にあるタイ人街を散策しようと思っていたけれど、「美術館、久しぶりに行くのも良いなー」と思って予定を変更。
国立新美術館
草間彌生 わが永遠の魂
国立新美術館に行くのは2度目。1回目に行ったときはアリエッティ展だった。今回は美術館10周年の特別展でもあるみたい。
ベートーヴェンがどんな絵を描いていたかもわからないくらい美術に疎い僕だけど、旅が好きなおかけで草間彌生の作品は結構知っている。瀬戸内海とか、新潟とか、草間彌生の水玉立体アートを見てきたから。
展示室に入ってすぐは僕も知ってる水玉の作品群。スマホで撮影はOKなのにカメラはだめなんだって。不思議だなー
2009年から今も書き続けている絵画作品がずらりと並んでいる。週に2,3枚書いてるんだって。
展示室の外で草間彌生が実際に絵を描いてる動画も流されていたんだけど、86歳の赤髪のばあちゃんが、車椅子に乗ってものすごい眼力で絵を描いていた。あの眼力、怖いなって思ってたけど、集中力と忍耐力の現れだと思うとちょっと尊敬した。
1つ1つの作品を見ながら、「なんて意味なんだろう」と考えながら歩いてみる。
「これはきっと『原住民の食への祈り』だろう」と思ってタイトルを見てみると
「青い水玉」
なるほど、確かに。
次のエリアからは1950年代からの作品が始まる。同じ人が描いてる、作ってるとは思えないほど異なるエリアだった。
進撃の巨人みたいなタッチで内蔵?が描かれてたり、ボロ臭いアパートの壁のような油絵があったり、男根アートもあったり(ボキャブラリーに乏しい…)
草間彌生は幼少の頃から幻覚が見えてたり、度重なる自殺未遂があったり、常人ではないなと思った。それを知ってから作品を見てみると、生とか、性とか、死とか、宇宙とか、「深く考えてたら飲み込まれそうな作品だな…」って不安げな気持ちになってきた。
最後のほうで「南瓜(カボチャ)が好き、形がいいから(意訳)」みたいな説明と、観光地でよく見る水玉タッチの南瓜の絵があって、カラフルな水玉の絵は明るくて優しい気がして、好きだなって思った。
そういえば何で水玉書いてるのかは説明なかったな。なんでだろう。
東京五美術大学 卒業制作展
同じ国立新美術館では東京五美術大学の卒業制作展もやっていて、こちらは無料なので覗いてみる。見ていて思うのは、「美大生の頭の中おかしい…」ということ。
おかしいというか、どうなっているんだろう。どうしたらこんな不思議な作品作るんだろう…と思ってばかりだった。
草間彌生展とは違って、色んな人が作ったものなので一つ一つの作品が個性的だ。
理系大学卒の自分としては、卒業研究ってちょっとは「社会が良くなる種を作ろう」ってモチベーションで取り組む。でも美術ってどうなんだろう。「作品を見た人に感情を残したい」って思ったりするのか、それとも「自分を表現したい」って思うのか。
何だか卒業研究よりも、卒業制作のほうが純粋な好奇心から作られてる気はした。
ランチ
麺屋武蔵 虎嘯 (こしょう)
国立新美術館をあとにして10分ほど乃木坂から六本木に向かって歩く。
ラーメン麺屋武蔵 虎嘯 (こしょう)に到着。
券売機で950円の濃厚角煮ラーメンを頼んで、席へ。特盛まで無料とのことで大盛300gにしてもらった。土曜日の12時だったけどそのまま席へ。平日のが混んでるのかな。ジャズが流れるのんびりしたラーメン屋さんだ。
ラーメン到着。いい絵だ…美術館も良かったけど、ラーメンの絵もいい。
トロトロのスープは熱を逃さずアッツアツ。熱ければ大体おいしいよね。
魚介の濃厚な味。硬めの麺は噛みごたえがある。黒胡椒を練り込んでるらしく、ほんの少し刺激を感じる…?柔らかい角煮も香ばしくておいしいなー
つけ麺だったら1キロまで特盛りにできるらしい。一生やらないな。
滋賀に帰る。やっぱり美術館ってどう楽しんでいいか良くわかんなかったけど、普段使わない脳みそが働いてる気はした。また1年後くらいにどっか行きたいな。
今回訪れたスポット
国立新美術館へのアクセス