「名古屋めしを食べ尽くす、ただ食べ尽くすだけの旅がしたい」
名古屋のグルメは魅惑的だと思う。
実際に名古屋に行くまでは、「何でも味噌を付ければ良いってもんじゃないんだよ。これだから舌の麻痺した名古屋人は…」と思っていた。
それが今ではどうだろう。
気がつけばカレーうどん
瞳を閉じればあんかけスパゲティ
3歩歩けば台湾ラーメン
完全に、完全に名古屋めしの虜じゃないか。どういうことだこれは。関西の女子風に言えば「いつの間にウチは、あんたのこと好きになってたんやろか…」状態じゃないか。
名古屋めしの魅力はなんだろうか。やっぱりあの「あとを引く強いコク」だろうか。
名古屋めしには、ふとした時に無性に食べたくなるような、個性的なグルメが多い。
このページには、今まで自分が出会って食べた、名古屋のグルメをまとめていく。ぜひ一緒に楽しんでいただけたら幸いです。
味噌煮込みうどん
初めて食べた名古屋めしは味噌煮込みうどんだった。
関東には味噌煮込みうどん専門店である「ばんどう太郎」という店があって、実家から歩いていけるところにもばんどう太郎はあった。
月に1度は通うほどに味噌煮込みうどんが好きで、埼玉に住んでいる頃から、「遠くの彼の地にある、名古屋の味噌煮込みうどんというものも是非食べてみたい」と思っていた。
名古屋の味噌煮込みうどんは生麺を土鍋で直接煮るため、芯が少し残っている。噛みごたえのある麺の食感は「関東で食べてきた(というか主にばんどう太郎の)味噌煮込みうどんとまったく違う…」ものだった。
これぞ名古屋と言わんばかりの赤みその辛みと、魚介のダシがうまい。
固い麺を楽しんだあとは、フタを閉めてしばらく放置してみる。すると固かった麺が食べやすい柔らかさまで柔くなり、先ほどとはまた違った食感を楽しませてくれる。やわいほうが好みだ。アゴが楽だから。できるかぎり楽したい。
卵を割りたいという欲求を抑え続けて、大体半分くらいを食べ終わったあとにそっと割り、黄色いとろみをかき混ぜてみる。よりマイルドでコクのある味になった気がする。うん、卵はやっぱり万能すぎる。
訪れたお店 山本屋本店エスカ店
味噌カツ
味噌カツといえば矢場とんである。文句があるなら「るるぶ」か「まっぷる」に言って欲しい。観光宗教の祖である彼らがそう言っているんだ。
観光宗教に属している名古屋初心者の自分には、矢場とんの本店である矢場町本店に行くという選択肢しか残されていなかった。
「矢場とん?あんなとこ素人の行く場所でしょw」という声を振り払いながら矢場とんに入ってみると、11時に開店のはずなのに、10時50分ですでに満席だった。みんなタイムリープしてる。
名古屋のカツ屋さんでは、ほぼ「ソースか味噌かを選べる」そうで、ここ矢場とんでも選ぶことができた。
わらじトンカツを選んだんだけれど、「やっぱり色んな味が食べたいよねー☆」という女子心の誘惑に負けて、ソースと味噌の両方を頼んだあと、「あれ、ソースっていつも通りじゃないか?名古屋じゃなくても良くないか?」ということに気づいてしまった。
味噌だれは見た目とは裏腹にサラッとしていて、濃い味だけれどくどくなく、サッパリとしたお味。濃いのかサッパリしてるのか結局どっちやねん、と自分に突っ込みたくなるくらいに複雑な味だ。簡単に言うとウマイ。
衣もサクサクでたまらなくおいしかったのだけど、
半分を食べ終わったあたりで胃をやられてしまった。以降は怒涛の勢いで奥さんがカツを平らげ、「フードファイターここにありけり」と、ただただ感心するばかりであった。
訪れたお店 矢場とん矢場町本店
>>>矢場とん 矢場町本店
台湾ラーメン
名古屋に来たら絶対に食べたいと思っていたのが台湾ラーメンだった。ずっと食べたいと思っていた。
実は、初めて名古屋を訪れたときに真っ先に行ったのが台湾ラーメンの店だった。ただ店が混みすぎていて、泣く泣く別のものを食べたという苦い経験があったんだ。
だから今回はあえて「おやつの時間」に、台湾ラーメンの元祖・味仙に訪れてみることに。甘いものを食べるおやつの時間に、こんな赤くて辛いものを食べるやつなんていないはずだから。
まずはコブクロから。
見るからにうまい。
ラー油と唐辛子の辛味がたまらなくて、コリコリとした食感もまた最高だ…
そしてお待ちかねの台湾ラーメン。
結構小さい。小型化に成功したんだろうか。
ただ、スープを一口飲もうとしたら、その小ささの理由がわかったのだ。
すすった瞬間に「うまい!」って言おうとしたら
「うまっゴボぁっ!ごはぁ!どがァッ!」と大悶絶…
予想以上の辛さに汗と鼻水が止まらなくなり、唇は震え、胃がざわつく。
何か、何か悪いことをしたのだろうか。トイレットペーパーを使いきったのに、次のトイレットペーパーを補充しなかったつけがここに回ってきたのかもしれない。それくらいに辛い。
でも旨い。
でも苦しい。
久しぶりに「勝負」と思える料理に出会えた気がする。無性に食べたい度合いは間違いなくNo.1の名古屋めしだ。
結局辛すぎてチャーハンも頼んだ。辛さも相まってチャーハンが最高にうまい。
何だか両隣の2つが地獄のように赤いな。
辛すぎて最終的にはコブクロから唐辛子を取りつくすはめに。
辛過ぎるけど、無性に食べたくなる魔術のような旨さがあるんだよなー
訪れたお店 味仙名古屋駅店
>>>味仙 JR名古屋駅店
モーニング
名古屋といえばモーニング。
実は名古屋のモーニングでは一度苦い経験をしており(後述)、今回はクチコミとブロガーさんのおすすめを精査した上で、ここコンパルを選んでみた。
分煙されていないので壁の色がすさまじいことになってる。タバコ吸わないのでここはちょっとマイナスかな。でも、店員さんが気を遣ってくれて、入りやすかった。
ここでは有名なエビフライサンドを頼んでみる。
喫茶店という枠を超えて、「コンパルのエビフライサンド」が名古屋名物になっているほどの人気商品。サクサクの衣とプリっとした海老。タルタルソースがクセになる。
ただエビフライサンドに930円はちょっと高すぎやしないだろうか…もしかしたら伊勢海老を使っているのかもしれない。
訪れたお店 コンパルメイチカ店
>>>コンパル メイチカ店
あんかけスパゲティ
冬の名古屋観光で食べたあんかけスパゲティ。
名前を聞いた瞬間に「絶対うまくないやつだ」と決めつけていたんだけれど、漫画であまりにもおいしそうに紹介されているのを見て考えがガラッと変わった。影響されやすい。
名前からは見た目がまったく想像できなかった。ミートソースを煮詰めた濃い目のソースに、ガンガンに入った黒こしょう。このガツンとした味付け、漢だ…
漢の味付けにも関わらずハンバーグ入りの子どもっぽいものも頼んでみた。ギャップ萌え。このハンバーグがまたジューシーでうまい。こっちも黒こしょうのパンチが強い味、痺れそう。
具沢山の麺をぐるぐると混ぜて食べるのがあんかけスパゲティ。このグチャグチャにして食べる背徳感がたまらない。
極太の麺がモチモチとしていて、濃い目のソースに負けず、ひとくち食べるごとにガツーン、ガツーンと胡椒の香りが響いてくる。
色んな具が入っているので毎回味と食感が変わり、最後まで飽きずに食べられる。無言で食らいついたら最後まで一直線に食べ続けてしまって、気がついたらあんかけスパゲティが大好きになってしまってた。ウチ、あんたのこと嫌いやったのに…
訪れたお店 男前パスタ
>>>男前パスタ
ものすごく元気な「いらっしゃいませ」と、さりげなく広めの席をすすめてくれるおもてなし。「男前なのは心意気」とお店の説明に描いてありましたが、本当にその通りで、このお店が大好きになってしまいました。
味噌おでん
冬の宿泊旅行だったので、いっぱい飲みたくて選んだのが味噌おでん。
栄駅から徒歩一分のカモシヤは、「ワインに合う味噌おでん」を出しているお店。
細身でダンディな店員さん曰く、他のお店の味噌おでんは甘いけれど、カモシヤの味噌おでんはワインに合うようにスッキリとした味にしているんだとか。
トマトやアボカドなんて変わり種のおでんもあって、どれもこれもおいしい。
黒い見た目とは裏腹にサッパリとしていている。だけど味噌のコクはしっかりと出ている。名古屋って何でも味噌ってイメージあるけど、濃いだけじゃなくてしっかりコクがあるから旨いのかもしれない。
訪れたお店 カモシヤ
>>>おでん&ワイン カモシヤ
立地と雰囲気の良いお店で、女性のお客さんも多いところでした。
名古屋ハヤシ
味噌おでんを食べたカモシヤにあった「新・名古屋めし」の名古屋ハヤシ。
デミグラスソースに赤味噌のコクがプラスされていて、かなり美味しい一品。本当、何にでも味噌を入れるんだなぁ。
驚いたのが卵を溶かしてもそこまで味が変わらなかったことで、もともとが相当まろやかということなんだろうか。
名古屋ハヤシは今後流行らせていくようで、流行を先取りしたかったら食べといて損はない。
訪れたお店 カモシヤ
>>>おでん&ワイン カモシヤ
味噌串かつ
ホテルの朝食バイキングで出会った味噌串かつ。
名古屋の居酒屋メニューを朝食にいただく、この朝からビール飲みたいんですけどどうしてくれるんですか感。このビジネスホテル、できる。
揚げたての串カツを味噌だれに「ドボン」と付けるのは、何だかいけないことをしているような気分になる。
細かい衣が味噌ダレに包まれてジュワジュワとした食感。味を思い出しているだけで、あぁもう一本だけ食べたいなぁって思ってしまう。
訪れたお店 名古屋クラウンホテル
「楽天朝 ごはんフェスティバル」で愛知県3位になったホテル。
朝食で選んだけれど、広い温泉も木のぬくもりを感じられる場所で、オススメのビジネスホテルです。
カレーうどん
カレーうどんなんてどこも一緒だろうと思っていた。ただ名古屋は違った。名前を変えたほうが良いんじゃないかってくらいに別物だった。
「名古屋の人が名古屋めしだと思っていない料理がカレーうどん」らしい。
モチモチの極太麺。スープはカツオの香りがしたと思ったら、後味でスパイスの風味がガンガンと来る。そしてスープはポタージュのようにトロトロとしていて、めちゃめちゃうまい。そして絡みついてくるようにアツい。アツいものって大体旨い。
具だくさんなところもまた良くて、カレーのスープをタップリ吸ったお揚げがなんとも言えない。
訪れたお店 若鯱家エスカ店
>>>若鯱家 エスカ店
そうでもなかったお店
シャポーブラン
名古屋といえばモーニング、ということで大須商店街内にあったシャポーブランへ。
名古屋のモーニングは「コーヒーに無料で朝ごはんがついてくる」というあれなのだけど、ここのお店では無料でバイキングがついてくるらしい。
ちなみに味としてはハズレ。
奥さんが「久しぶりにバイキングという文化に触れてみたい」ということで行ってみたんだけれど、「やはりバイキングは今後も控えることにする」と再認識したらしい。
まとめ
書き終わったあとにサラーッと眺めてみると、見事に「茶色い」ページになった気がする。それだけ名古屋の名物が、味噌の色に染まっているということなのかもしれない。
名古屋グルメはやみつきになるものが多く、何度も足を運びたくなってしまう。というか今もまさにあんかけスパゲティが食べたくてしょうがない。
いつかはひつまぶしや名古屋コーチンなどのお高いグルメにも手を出してみたいな、と思いながら、ここらへんで終わりにしようと思います。それでは。